看護部長 山口
私は5歳の頃、心臓の病気により大学病院で手術を受けました。
術後のICU(集中治療室)で心細かった私を、励まし支えてくれた看護師さんの存在。
「私もいつか、誰かの役にたちたい」— その時抱いた憧れが、私の看護師人生の原点です。
地元に新設された宮本看護学校の1期生として学び、母体である当院へ入職した頃は、まだ先輩の背中を見て覚えるという風習が色濃く残る時代でした。
日々の業務に懸命に取り組む中、大きな転機が訪れたのは看護師3年目の時です。
結婚・出産を経て、産後1ヶ月が経った頃に突然、心臓の新たな病を発症し、救急搬送されました。
「もう看護師を続けるのは難しいかもしれない」とあきらめかけましたが、当時の部長や仲間たちからかけられた「家庭と身体を大切に」という言葉に救われました。
短時間勤務から少しずつ復帰し、病気と付き合いながらの勤務ではありましたが、子育てが一段落した30代でフルタイムへと戻ることができました。
今日まで歩んでこられたのは、周囲の理解と支えがあったからこそだと感じています。
こうした経験を経て、私が今、大切にしている考え方が「シャンパンタワーの法則」です。
一番上のグラス、つまり看護に携わる「自分自身」が満たされていること。
そうして溢れ出たゆとりが、共に働く同僚や支えてくれる家族へと伝わり、最終的に患者さまや地域の皆さまへの質の高い看護へとつながっていく。
育児や介護など、それぞれの生活を大切にしながら働き続けられるよう、多様な働き方のサポートにも取り組んでいます。
宮本病院の看護部には、お互いの人生を尊重し、自然と助け合える温かさがあります。
私自身がこの病院の仲間に支えられてきたように、今度は私が、皆さんが自分らしく輝ける場所を整えていければと思っています。
まずは自分というグラスを満たし、そのゆとりから地域に生まれる笑顔を増やしていく。
その一助になれるよう、これからも努めてまいります。